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自閉スペクトラム症の他者評定と支援

自閉スペクトラム症 (Autism spectrum disorder: ASD) 児の他者評定の相違について、自閉症スペクトラム指標 (Autism-Spectrum Quotient: AQ) 児童用 (@6_自閉スペクトラム症の特性 (2) 参照) を用いて明らかにした研究があります。


小手川他 (2023) は、療育に通うASD診断あり児と診断なし児を対象に、保護者と支援者 (リハビリセラピスト) の他者評定の相違を明らかにすることを目的とし、保護者や支援者が発達障害児のどのような特性に着目しているのかを調べています。方法は、AQ児童用を用いて保護者と支援者それぞれに評価してもらった結果、保護者と支援者では、特に社会的スキルの得点に有意差がみられたことを明らかにしました。


したがって、著者らは保護者と支援者では、異なる視点で対象児を捉えている可能性があり、ASD児の他者評定に差がみられた社会的スキルを含めて、2者間の情報交換が必要であることを述べています。


このことは、ASD児を含む発達障害の支援は一方向では成り立たないことを示唆しています。



参考文献

小手川耕平・坂本勝哉・惠明子・安村明 (2023). 自閉スペクトラム症児における他者評定の相違―保護者と支援者間の比較― 作業療法, 42, 52-59.

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