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注意欠陥多動性障害の特性 (1)

注意欠陥・多動性障害(Attention-deficit/hyperactivity disorder: ADHD)は、「不注意優勢型」「多動性-衝動性優勢型」「混合型」の3つのサブタイプに分かれるとされています。

 Salvi et al. (2019) は、ADHDの診断と治療のために入院し、ADHD診断を受けた18歳から65歳 (平均年齢34.1歳) の60名に対して、サブタイプに関連する評価測定を実施しました。


その結果、DSM-5の診断基準 (@14_注意欠陥多動性障害の診断、参照) における不注意の症状が強く出ているタイプである不注意優勢型18.3%、多動と衝動の症状が強く出ているタイプである多動性-衝動性優勢型8.3%、混合型70%であることが分かりました。

また、多動性-衝動性優勢型の対象者はQOL (生活の質) が低下しており、不安障害の頻度も高いことが示されました。


これらの結果より、ADHDの症状をより早い段階で、サブタイプに分けて診断することは、その後の予後や治療方針を決定する上で有用であることが示唆されます。



参考文献

Salvi, V., Migliarese, G., Venturi, V., Rossi, F., Torriero, S., Viganò, V., ...Mencacci, C. (2019). ADHD in adults: clinical subtypes and associated characteristics. Rivista di Psichiatria, 54, 84-89.


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