自閉スペクトラム症の介入 (1)

自閉スペクトラム症 (Autism spectrum disorder: ASD) の診断と介入は早ければ早いほど良いとされています。


特に、生後2年間で診断を行うことが推奨されていますが、多くの子どもが最初のスクリーニングで見落とされ、何年も経ってからASDと診断されるのが現状です (MacDuffie et al., 2021)。これは、ASDの主要な症状である「社会的コミュニケーションの障害」は、他者との関わりの中で (例えば、幼稚園や保育園での関わりで) 徐々に表れてくる特性だからと考えられています。


Reichow et al. (2018) はASD児に対する早期からの介入 (早期集中行動介入, early intensive behavioral intervention: EIBI) 効果をシステマティックレビューによって確認しています。彼らは、EIBIの介入効果を検討した質の高い5つの研究を調べ、EIBI群116名、一般的な療育群103名の計219名の児童を対象として分析しました。対象児の年齢は30.2ヶ月から42.5ヶ月 (約2歳6ヵ月から3歳6ヵ月)、介入期間は24カ月から36カ月でした。


結果は、EIBIがASD児の行動を改善するという弱いエビデンス (根拠) と、通常の療育と比較してASD症状の重症度を軽減することを示しました。著者らは、これらの研究での弱いエビデンスは、多くの研究が小規模 (少人数) であったことが要因であることを示唆しており、ASD児に対するEIBIの効果についてより強い結論を出すためには、厳密な研究デザインを用いたさらなる研究が必要であると述べています。

しかしながら、ASD児に対する早期介入が必要不可欠なことはいうまでもないでしょう (Kodak & Bergmann, 2020)。



参考文献

MacDuffie, K. E., Estes, A. M., Harrington, L. T., Peay, H. L., Piven, J., Pruett, J. R. Jr, ...Wilfond, B. S. (2021). Presymptomatic Detection and Intervention for Autism Spectrum Disorder. Pediatrics, 147, e2020032250.

Reichow, B., Hume, K., Barton, E. E., & Boyd, B. A. (2018). Early intensive behavioral intervention (EIBI) for young children with autism spectrum disorders (ASD). Cochrane Database of Systematic Reviews, 5, CD009260.

Kodak, T., & Bergmann, S. (2020). Autism Spectrum Disorder: Characteristics, Associated Behaviors, and Early Intervention. Pediatric Clinics of North America, 67, 525-535.