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発達と我慢する力

「マシュマロ・テスト」をご存知でしょうか?


1960年代にMischelらの研究グループにより実施された、未就学児の欲求充足感を遅らせる能力を測定する簡単なテストで、4歳児に対して目の前にある一つのマシュマロを一定の時間我慢したら、ご褒美としてさらに1個あげることを約束し、我慢できるか否かを観るものです。以降、これまで数多くの追跡実験が行われ、このテストは、生涯を通じて社会的、認知的、精神的な健康状態に影響を与えるという驚くべき結果が証明されています。


例えば、目の前のマシュマロを一定時間待つことができた4歳児、すなわち「我慢する力」のある子どもは、待てなかった子どもに比べ、その後の人生において社会的スキルにより優れており、ストレスに対する耐性や自己価値観が高いことが分かっています (Mischel et al., 2011)。


また、この我慢する力は文化 (国) による差がみられることが明らかにされています (Lamm et al., 2018)。4歳でその後の人生がある程度予測されることは驚きですが、(統計学的にはそういえますが、) すべてのヒトに当てはまるわけではないことも事実です。


大事なことは、いかにして目的を達成するために「我慢する力」を身につけるのかということにあるのかもしれません。


参考文献

Mischel, W., Ayduk, O., Berman, M. G., Casey, B. J., Gotlib, I. H., Jonides, J., ... Shoda, Y. (2011). 'Willpower' over the life span: decomposing self-regulation. Social Cognitive and Affective Neuroscience, 6, 252-256.

Lamm, B., Keller, H., Teiser, J., Gudi, H., Yovsi, R. D., Freitag, C., ... Lohaus, A. (2018). Waiting for the Second Treat: Developing Culture-Specific Modes of Self-Regulation. Child Development, 89, e261-e277.




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