注意力の乏しさや、年齢不相応の過剰な活動性・衝動性がみられる注意欠陥・多動性障害(Attention-deficit/hyperactivity disorder: ADHD)は、小児期および思春期によく現れ、早期に発症し、持続する発達障害であり、有病率はおよそ5%であるといわれています (Banaschewski et al., 2017)。
また、4歳から17歳の子どもの最大11%がADHDの診断を受けたことがあり、1,2%が現在診断を受けており、6.1%がADHDの薬物治療を受けていることも報告されています (Felt et al., 2014)。すなわち、10~20人に1人の割合でADHDと診断される子どもがいると考えられます。
ADHDの診断がある青少年は、自動車事故や薬物乱用、および学校中退の割合が高いといわれており、症状の治療には薬物療法が有効で、早期発見・早期治療により長期的な教育、仕事、社会性を改善することが示唆されています (Felt et al., 2014)。
次回以降は、ADHDの診断基準や特性、有効なアプローチ方法について述べたいと思います。
参考文献
Banaschewski, T., Becker, K., Döpfner, M., Holtmann, M., Rösler, M., & Romanos, M. (2017). Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder. Deutsches Arzteblatt International, 114, 149-159.
Felt, B.T., Biermann, B., Christner, J.G., Kochhar, P., & Harrison, R.V. (2014). Diagnosis and management of ADHD in children. American Family Physician, 90, 456-464.
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