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子どもの運動イメージの発達

自分の運動を脳内で想像する力 (運動イメージと呼ばれています) は、発達過程において運動を学習するためには重要であると考えられます。では、子どもが頭の中で運動を操作できるのは何歳頃からなのでしょうか?


Sekiyama et al. (2014) は、6~11歳までの子どもを対象に手の心的回転 (Mental rotation: MR) 課題を実施しました (MR課題とは回転角度に差のある図形の鏡映像弁別を求める課題です。多くの研究において、MR課題で呈示される図形が手の場合には、課題を遂行するために自分の手を心的に動かしてみるような運動イメージが用いられることが示唆されています)。


その結果、6歳児は課題遂行中も自分の手を動かして実際に確認してみるなどの動作が観察され、この動作がなくなる7~8歳児でも,課題は生体力学的な影響 (実際の動かしやすや) を強く受けることが分かりました。


これらの結果は,心的に運動イメージを操作できるようになるのは、7歳前後であることを示唆しています。また、自閉スペクトラム症 (Autism spectrum disorder: ASD) 児では、このMR課題が苦手なことも分かっています (Ni et al., 2021)。


発達過程の支援には、これらの運動イメージも考慮する必要があるかもしれません。



参考文献

Sekiyama, K., Kinoshita, T., & Soshi, T. (2014). Strong biomechanical constraints on young children's mental imagery of hands. Royal Society Open Science, 1, 140118. doi: 10.1098/rsos.140118.

Ni, P., Xue, L., Cai, J., Wen, M., He, J. (2021). Improving visual perspective-taking performance in children with autism spectrum conditions: Effects of embodied self-rotation and object-based mental rotation strategies. Autism, 2, 125-136.


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